Ulterior Gallery at Space 23°c in Tokyo:
「ヨシダミノル Performances in New York」
2019 年6月14日(金)ー6月16日(日)
[開廊時間]12:00−18:00
[出版記念&クロージング・レセプション]
6月16日(日) 16:00 ~ 18:00
[会 場]スペース23℃ 東京都世田谷区中町2−17−23
TEL 03ー3701−5272
アーティスト、ヨシダミノル(1935年 ー2010年)は大阪に生まれ、京都市立美術大学で絵画を学びました。1960年代初頭、京都でアーティストとして頭角を現し、1964年には戦後日本の伝説的アーティストが参集した具体美術協会の一員となりました。その後、ヨシダミノルは1970年から1978年までをニューヨークで過ごしています。日本でペインターとして、また後期具体の注目すべきメンバーとして、立体作品や当時の最新テクノロジーやサウンドを取り入れたインスタレーション作品を発表していたヨシダですが、ニューヨークでの8年間の活動は日本でもアメリカでもまだあまり知られていません。今回、渡米前と帰国後のヨシダの制作活動を包括的に理解、研究していく上で必要不可欠なこの時期のヨシダのパフォーマンスのドキュメンテーションビデオを紹介します。
1970年2月、ヨシダはロサンゼルスに渡り、その後国内を横断しニューヨークに到着しました。1970年代のニューヨークのアート・コミュニティでのコンセプチュアルアート、 パフォーマンス、ビデオアートなどが相互交流し発展していく様は彼を強く刺激し、彼が「宇宙空間の美食家」とよぶ、この時代のもっとも重要なテーマのひとつである思索的ガイド・指針を発現させるに至りました。ヨシダは、 この全くの外ものとしての哲学—他の惑星からやってきた訪問者として地球上の人間を観察・詮索するという立場・視点を採用する方法—を具体化する一連のパフォーマンスを生み出し始めます。「宇宙空間の美食家」は、1974年から1978年の日本への帰国まで、ヨシダの芸術活動の核となりました。
近年、ヨシダの家族によって亡きアーティストのスタジオ から多数のビデオが発見されましたが、それらは2017年にニューヨークで行われたビデオ・スクリーニングまで非公開となってきました。 ニューヨークでの数年間、ヨシダはパフォーマンスを生み出すため、自らの身体と電子音 や彫刻的部品との結合を試みました。これらのビデオは、ヨシダが当時のニューヨークのアート・シーンでの流行に影響されながらも、活動をラディカルに変化させていった過程を捉えています。
今回は、1974年から76年にヨシダミノルが自作のSynthesizer Jacket を着用して行なった数々のパフォーマンスのビデオをスペース23℃にて展示します。また、ヨシダミノルのニューヨーク・パフォーマンスの記録集「Epicurism of Space Universe in New York」の出版記念を最終日に予定しています。ヨシダミノルの貴重な70年代の活動ドキュメンテーション写真をまとめた初めてのバイリンガル・パブリケーションとなります。
また、関連企画として、ニューヨークでの発表を機に再評価がすすんでいるヨシダミノルの1970年代の活動を、京都国立近代美術館の研究員時代からリサーチし続けている関西大学の平井章一氏によるトーク、そしてヨシダミノル存命中に結成されたユニット、現代家族(メンバー:荒木みどり/ 吉田省念/ 吉田朝麻)のパフォーマンスを、6月6日に東京藝術大学美術学部中央棟第一講義室にて開催します。
「ヨシダミノル 空間の美食家 in New York : 1970ー 1978」
メディア特論:アート+
ART MEDIA CENTER 東京藝術大学芸術情報センター
[開催日時]2019 年 6月 6日( 木)18:00~19:30
[場 所]東京藝術大学美術学部中央棟第一講義室 聴講可・学外生聴講可
[出 演]平井章一(関西大学教授 国立新美術館での「具体:ニッポンの前衛18年の軌跡」展担当キュレーター)、パフォーマンスグループ「現代家族」(メンバー :荒木みどり/ 吉田省念 / 吉田朝麻 )
[司会進行]伊藤俊治(東京藝術大学先端芸術表現科教授)
*「Epicurism of Space Universe in New York」は展覧会期中、会場でお求めいただけます。また会期後はニューヨークのUlterior Gallery にて取り扱いとなります。ご興味のある方はinfo@ulteriorgallery.com までお問い合わせください。
助成:アーツカウンシル東京(公益財団法人東京都歴史文化財団)